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2007年12月09日

空しさを啄み続ける鳥

厨子甕.JPG詩集「鳥たち」より

     
空しさを啄み続ける鳥



空しさが 僕を

風船のように

膨らませて

もう はちきれんかりに

張り詰めさせて

でも

けして 壊れて

この空しさは

飛散してはくれない

だろうという

別の空しさに

包まれて

僕は

ある


大爆発とまでは

言うまい

小さな針の穴でいい

そこから

ジェット気流を

噴射させて

僕は

ゼロに

なりたい


とは言っても

空しさを全部

吐きだしたら

どうにもならない程の

日常性と惰性のなかで

僕はきっと

たゆたっているのだ


かと言って

空しさを滞留させたら

鉛色に錆ついて

腐蝕を深めて

孤立した

一羽の

鳥に

なるのだ


鳥は

飛ばねばならない

囀らねばならない

でも その鳥は

口を噤み

羽を収め

そこに こごむ

だから鳥は

空しさをさらに

啄ばみ

続ける


鳥よ いま

おまえは空しさと戯れ

空しさに恋をして

空しい自分に凭れて

いるのだ


だから おまえは

ピエロのように

嘲笑の濁流に

流され続ける

のだ

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posted by かねやん at 19:54| 沖縄 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩集「鳥たち」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月05日

鎮魂歌

蝉たちの鎮魂歌.jpg 

蝉たちの鎮魂歌
 

漆黒の眠りから覚めた蝉たちは、15年前焦土に眠った人たちへの、慰謝のためにだけ鳴き続ける。蝉の声は彼らの語りだ。だが、語るには短すぎる一日が、また、暮れた。昼間の温みを、身体中に沈めても、闇の冷気が身体を突き刺して凍え身の夜は無慈悲に更ける。

ジーッ、ジーッ、ジッ、ジッ、ジー。草蝉の呟きは、戦の犠牲となった罪なき人々の語りだ。「戦争は無いほうがいいサー、こんなに沢山の人が死んでいって、悲しいサー」。声密やかにこんなことを耳打ちし合っている。

サーリ、サーリ、サリ、サリ、サリ。油蝉が大きな悲鳴を空に刺し、天のお告げを引き受ける。空の青、海の藍、陸の蒼は明示された宇宙の告示だ。その告示を祖霊たちは守り続ける努力をした。そしてその告示を遺言として残した。私(たち)の努力は報われるか。終末なきこの執行義務の履行を為し続ける。

トートッ、トートッ、ウートートー。ヒグラシの悲しい声は、あの人が捨てた希望、その者が拾った絶望、この人が引き受ける憂いの祈りだ。この蝉は、この人(たち)の憂愁を、薄暮の空に、日没の海に、暮れなずむ陸に引き渡して果てていく。
ああ、この草蝉の呟きと、油蝉の履行義務と、ヒグラシの祈りを、しばしの間だけ引き受けたい。これら鎮魂の読経を、しばしの間だけ私が為したい。

明日の希望のために。

 
 
 
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posted by かねやん at 16:28| 沖縄 ?J| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩集「鳥たち」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月11日

道化師

スミレ.JPG
      
道化師が踊る
踊る術を知らないのに踊る
術を知らないから
腹立たしい・・・のかも知れない

道化師の涙は
乾いた涙
内なる大海の思惑から
外なる漆黒の宇宙から
己を凝視しているから・・・かも知れない

道化師の笑いは
悲しい笑い
衆目の哄笑に
己の影を映し
真実を見つめているから・・・かも知れない

道化師の怒りは
欺瞞の怒り
万年氷河のごとく
凍てついた心には
もう 感情の亀裂はありえないから・・・かも知れない

だから とこしえの儀礼として
おまえの道化を
繰り返し 繰り返せ
posted by かねやん at 19:23| 沖縄 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩集「鳥たち」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月27日

文化や詩について思うこと

  
    えいさー.JPG 
 文化や詩や感動に

 ついて思うこと!!

1 文化的で居られるとき、最も虚偽の中に自分をおいているように思えてならない。

2 虚偽の中に居るとき、もっとも詩的でいられる心地がする。

3 詩的でいられる自分を見るとき、自分のいちばん醜悪な点を発見する。

4 最も醜悪な点は、言葉で自分を騙すことによって、安心していられることである。

5 感動に一般性はない。芸術的感動は、教養あるものの特権ではない。

6 芸術的感動を普遍化し強要している傾向がある。したがって、ピカソにもベートーベンにもトーマスマンにも感動を感じなくてもよいのである。これは、これらに感動できなかったからといって芸術的感性がないとはいえないことを当然に意味する。

7 普遍性は、芸術の一要素でしかない(私は芸術は普遍性を有するものであるとする考えには、にわかに賛同し得ない)。

8 文化は、地域的特性と約束製の上に成立するものであるから、これらを生まれつき体験するものでなければ、文化の理解は出来ても、文化の純粋の狂気に浸ることは出来ないのである。ただ、理解が深まれば、錯覚感動はあるのかも知れない。しかしそれは、文化の持つ狂気を決して体感できない。

9 感動は、超言語の世界である。ただ、ただ、得体の知れない身震いのみが全身を覆いつくし、狂気の動作と音声が意識下の世界から出現するのである。
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posted by かねやん at 13:13| 沖縄 ?J| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩集「鳥たち」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月25日

僕とは!!


  君、人生を嘆くなかれ


贅沢の中に住む者は
貧しき人を蔑んで
己が証をたてるのみ

奢りの中に住む者は
正直者を蔑んで
己が心を惑わせる

上ばかり見て走る人
下ばかり見て歩む人
ともに自分が見えぬまま
侘しく闇に帰る人

かといって・・・・・

中ばかり見て歩く人
傍らに苛つきばらまいて
寂しく家に帰るのみ

僕が世界の中心と
騒ぐ人がここにあり
はた迷惑な人なのに・・・
posted by かねやん at 19:54| 沖縄 ?J| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩集「鳥たち」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月13日

僕の言葉は胃袋だ!

     赤い小花A.jpg赤い小花A.jpg

  所詮、言葉は・・・・

祈り
何を語らなくとも
野の草花や
小鳥の鳴き声や
小さな虫たちのあどけない動き
のように
心を癒してくれるような
言葉をひとつだけ
下さい。

現実
僕は 己のためにだけ
幾百万言を吐き出す。
どろどろの言葉を嘔吐する。
まるで僕は胃袋だ。
貪欲な胃袋だ。
悪魔の胃袋だ。

再び祈り
僕を癒せる言葉を
ひとつだけ下さい。
人を傷つけない言葉を
ひとつだけ下さい。


 
 
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posted by かねやん at 16:46| 沖縄 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩集「鳥たち」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月05日

私とは

夕日A.jpg     

君、人生を嘆くなかれ


贅沢の中に住む者は
貧しき人を蔑んで
己が証をたてるのみ

奢りの中に住む者は
正直者を蔑んで
己が心を惑わせる

上ばかり見て走る人
下ばかり見て歩む人
ともに自分が見えぬまま
侘しく闇に帰る人

かといって・・・・・

中ばかり見て歩く人
傍らに苛つきばらまいて
寂しく家に帰るのみ

僕が世界の中心と
騒ぐ人がここにあり
はた迷惑な人なのに・・・
 
 
 
             
posted by かねやん at 20:25| 沖縄 ?J| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩集「鳥たち」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月27日

死に続ける鳥たち

雲.JPG
       
     鳥よ!!
呟きが聞こえる。    
「私は、死に行くものである」
それは、樹下に横たわる小鳥からのメッセージである
眼は既に穏やかに閉ざされて、もう世界を見ない
微かな開口が、何かを語りたげだ
置き去りにされる日々の
華麗なる姿を一瞬一瞬そぎ落とさねばならない
死の硬直への限りなき行進
だが、痛恨のみが生の喪失への軌道となって駆けだした。
数億秒の生の儀式の果ての虚無との合一
繰り返し、また
春が来た
夏も来て
秋が過ぎ
冬がきたとき
空に舞う一羽の鳥を見つけて、
「ああ、鳥よ
     飛ぶことはおまえの定めか
     おまえは飛ばねばならないのか
     私はある日、もがき嘆いているおまえに
     逢ったことがある
     私はおまえをちらっとみて
     ニッと笑ったぞ
     その時からおまえは
     飛びあがったままだ
     時たま眼を閉じて滞空するが
     けして地に降りることをしない
     おまえが休むのはいつだ
   鳥よ
     やがておまえが疲れ果てて
     地に落ちるとき
     そこに、おまえの止まり木はない
     いや、たとえあったとしても
     はらからの仲間と自ら定めて
     しがみつくであろう梢にさえ
     一枚の落ち葉のように見捨てられ
     ハラリと大地に還る
     そこは広漠たる湿原だ
     そこを横目に敷き詰めながら
     その冷気にしんしんと
     犯され続けるのだ
   鳥よ
    そのときおまえは、よよと泣くだろう」
そして冬が去った
春が来て菫の野に
私は、おまえの死骸を見る
私はそのとき、きっと泣くだろう
「そこに横たわり、そこに死をひきうけた小鳥よ
おまえの時は短くても
おまえたちの時は長いのだ
さあ、休もうよ!
休むことをみんなで
 叫ぼうよ!」
と。
 
 
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posted by かねやん at 22:17| 沖縄 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩集「鳥たち」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月24日

労働者

IMG_0986.JPG

   プロレタリアート

   と自称する僕たち

 
プロレタリアートと自称する
僕たちがいて
ある日 「集い」
それから
「仕事の歌」を
歌っている

集会後の自己反省の「集い」
は、きらびやかな照明の中の
豊饒に満ちた夜だった

私は
忍従や苦悩の忘却の果てにいて
貧困の苦しみの涙は消え失せて
いる

だのに、労働歌はつづく
軽やかで美しい声音で
しかし、さも苦悩を秘めた
労働者らしく 声を震わせ
時には 張り上げ
時には 自らの歌に酔い
涙ぐむ

そうしながら 趣向のある
料理を口にする

ああ 僕には もう
働く者の
焦土の乾きは
ない
         (1965.5)
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posted by かねやん at 20:31| 沖縄 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩集「鳥たち」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月09日

幼日

 

                   厨子瓶2−1.JPG

             触   手

深い 深い海の底で

静もりの日々を

過ごした幼日の貧困


夢の中で

辺縁をぎらぎらに

塗りたくって

鎮座した


母親不在の

少年の日々が

他人の眼の中で

雅に生き返る


位牌がじっと

見つめる部屋の

膨化した過去の

時の殻に

小さな穴を開けると

そこには

混乱の時空が

充満した


***

ぎざぎざに

心を裂いた日に

うりずんの新緑を

灰色に染めた町


ぽつりと

ひとしずくの涙を

枯渇した

心と

大地と

突き抜ける

青空に

義理で返済し

そそくさと

去った町


すいえた

家の臭いを

厚化粧で

濃く 濃く埋め尽くしたのに

夢は

夢が

過ぎ去った時と空間を

ぬめった触手で

探っている


***

いや いや これは

過去の時

いまの時ではない

まして

明日のときでもない

 
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posted by かねやん at 19:18| 沖縄 ?J| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩集「鳥たち」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月01日

詩集「鳥たち」の序章のころ

 
                 水を吐くしーさー.JPG
 
            詩作のはじまり

小学校4年の時である。国語の授業で詩があった。誰の詩でどんな詩だったか記憶には全く無い。授業
の一環として詩を作ることになった。私は物語を読むのは大変すきであったが、詩集などは一度も読んだ
ことが無かった。
 どんなに考えても詩らしきものは浮かんで来ない。詩の宿題の提出期限になっても、とうとう詩は作れ
なかった。考えあぐねた末、私は、虎の巻(現在の学習参考書)に載っていた童謡をそのまま写して提出
した。これだけは覚えている。確か「あめんぼあかいなあいうえお・・・・・・」と言う歌だったと思
う。早速当時の担任の先生から父に連絡が入り、こっぴどく叱られた記憶がある。
 父は叱るだけではなかった。当時、新聞記者で詩人の父の友人(石垣島ではなになにや−(屋)のだれ
だれと言うように、大抵は知り合いである)にその日から詩を特訓された。その方は、町の裏手にある野
原に私を連れて行き、「今見ている情景を全て言葉にしていってごらん」とポツリと呟き、私が発する声
を、ただ「うん、うん」と聞いていた。約30分。1ヶ月続いた。1ヵ月後に書いた詩を父は先生に見せ
た。おかげで国語の評価は10(10段階評価)であった。
 それ以来、詩に触れたり、嗜んだりはしなかったが、高校を中退して働き始めてからは、癒されたい時
は詩を書いた。頻度は極めて少なかったが・・・・・・。その頃からの日記にには、1年に一作か二作の
詩が記されている。


 
棘雨(きゃくう) 
 
 しとど降る雨に

懊悩のいばら戦きて
突端の胸を刺し
わが眼にも
しとど雨降る


このいばらを

どうして菫に変えられよう
私は常にいばら
きっと 針鼠の私
私に収斂するたびに
流血の反乱を起こし
嫌悪の螺旋階段を
夢遊病者となって
沈下する


いずれ私は

私の棘で
血の海を造り
悔悟と共に
溺死する

 
 
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posted by かねやん at 20:16| 沖縄 ?J| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩集「鳥たち」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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