北さとり編著の「処刑前夜」という本の中に次のような文があり
ました。60年も前に処刑された死刑囚が書いた人間観です。
「ここ(獄中)におりますと、外では必要な飾りや嘘がいりませ
ん。いくらすましてみようとて、彼奴は罪人だと指さされ、自分
でもすなおにそれを認め、詫びるよりほかに道のない身。ここに
は裸になった人間の本当のすがたがあります」。
異空間の俳句たち編集委員会が発行した「異空間の俳句たち」に
に依りますと、「孤独」、「絆 母」、「わが罪」、「生きる」、
「別れ」、「いのちこよなし」に章分けされて、編集されてあり
ました。
「孤独」から印象に残った句を紹介します。
冬晴れの天よつかまるものがない
冬夕焼け愛したくなる誰も彼も
身のうちの虚空に懸かる旱星
眼裏は瞑りて覗く門火かな
哄笑のごとく石榴は天に裂け
説明不要の心の叫びがひしひしと感じられます。私も裸の本当の
自分を見てみたい、そんな俳句を作りたいと願ってます。


